ストレスは現代の人に多い症状で、ストレスの原因となる事柄を受け続けると、自律神経のバランスが乱れてしまい、心や体に様々な不調があらわれます。
原因は人それぞれ異なりますが、一般的に多く挙げられる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
目次
ストレスの原因
ストレスの原因は日常生活の中にあることが多く、知らず知らずのうちにストレスをため込んでしまっている場合もあります。
人間関係
仕事上であったり、プライベートでも人間関係によって受けるストレスは大きいものです。特に職場でのストレスの原因の多くは人間関係だとされているほどです。
仕事の内容
仕事量や仕事の質など、自身の処理能力に対して過大であったり過少であったり、何らかの齟齬が生じている場合に自信の喪失ややりがいを感じられないといったストレスを感じることがあります。
また、多忙で休みが取れないなど、物理的に心身を休めることができない場合もストレスの原因になります。
睡眠不足
質の良い睡眠をとることで、ストレスを癒す効果が得られますが、睡眠時間が十分にとれない、うまく眠ることができないなど、何らかのきっかけで睡眠不足になると、大きなストレスになります。眠れないことがストレスになると、さらなる不眠に悩まされることになります。
家庭に関すること
家事や家計に関することであったり、家族や親族との関係など、家庭内での悩みがストレスになることがあります。配偶者との意思疎通であったり、子供の心配事、収入や将来のことなど、なかなか解決できない問題がストレスにつながります。
ストレスとうつ
「うつ」はここではうつ病ではなく「うつ状態」のことを言います。
うつ状態とは、憂うつな状態や気分の落ち込みなどの症状で、このようなうつ状態が長期間に及んだり、日常生活に支障がでるような重症である場合にうつ病と呼んでいます。
ストレスを受けると、少なからずイライラしたり元気がなくなるといった、状態になり、憂鬱な気分になります。うつ状態になる原因の大半はストレスだとされています。
ストレスからくる病気
ストレスを受けると心身に不調をきたし、病気を発症することがあります。
うつ病
過度なストレスによって神経伝達物質が脳へ伝達される機能が正常に働かなくなり憂うつ感、焦燥感、注意力の低下などの症状があらわれます。
自律神経失調症
自律神経のバランスが乱れ、憂うつ感、イライラ、頭痛、だるさなどの症状があらわれます。
急性胃腸炎
胃酸の過剰分泌によって胃の免疫力が低下し、ウイルスなどに感染しやすくなることで引き起こされます。嘔吐や下痢などの症状があらわれます。
じんましん
ホルモンバランスや自律神経が乱れることで引き起こされ、同時に頭痛が生じることもあります。痛みやかゆみがあり、ストレスが原因の場合には、繰り返しあらわれることが多くあります。
突発性難聴
ある日突然耳が聞こえにくくなり、ストレスとの因果関係があると考えられていますが、はっきりとした原因がわかっていません。
主に片耳が聞こえなくなり、症状が出る時には耳鳴りや吐き気があらわれることがあります。
ストレスと上手につきあう
ストレスは誰でもあるもので、完全に無くすことは大変難しいことです。しかし、長く続くと心も体も調子が悪くなってしまいますので、ストレスとうまくつきあっていく方法を身につけましょう。
趣味を持つ
音楽、スポーツ、料理など、自分自身が楽しいと思えることなら何でもOKです。趣味に没頭している間はストレスの原因は忘れることができますし、気分転換になります。
ただし、お酒やギャンブルといった健康を害したり金銭的なストレスになってしまうものは避けた方が良いでしょう。
体を動かす
決して激しいスポーツではなく、日常生活の中でできる適度な運動が望ましいです。
ストレス解消だけではなく、疲労感をすっきりさせたり病気の予防効果などが期待できます。ストレッチやウォーキングなどが手軽にできておすすめです。
お風呂で気分転換
入浴することで、疲労回復や気分をすっきりさせる効果が得られます。
シャワーだけではなく、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かると心臓への負担も少ないのでおすすめです。
睡眠をしっかりととる
長時間眠ればよいのではなく、質の高い睡眠をとることが大切です。
目覚めた時にすっきりと起きられ、日中に眠くなることがないか、などがポイントです。
バランスの取れた食事
体に必要な栄養素が摂取できないと、ストレスへの抵抗力も落ちてしまいます。
カルシウム、ビタミンC、ビタミンB1といった栄養素は、ストレスへの体制を高めてくれますので、積極的に摂取し、またそれだけではなく多くの食品を組合わせて摂るようにしましょう。
ストレスは悪いものじゃない
ストレスはなるべく排除し、ストレスを感じないことが良いことと考えている方は多いのではないかと思います。しかし、ストレスというのは生きていくうえでは欠かせないもの、と言えるのです。
緊張をする場面ではストレスを感じますが、実は危険を回避するためには必要な反応であったり、ストレスがまったくない環境よりも、ある程度ストレスが与えられた方が、抵抗力が高くなる、といった実験結果もあります。
もちろん、強すぎるストレスは心や体を壊してしまいますので、「適度な」ストレスがある状態が望ましく、その状態であれば悪いものではない、と言えます。自分自身の考え方の癖を知ることで、ストレスを過剰に感じないよう、思考や行動をコントロールする術を身につけましょう。
最後に
適度なストレスは自分自身を向上させることにもつながりますが、過度なストレスを受けている場合には、その都度、ストレスの原因から離れられる環境を作っていくことが大切です。
ゆっくりすることも良いですし、体を動かしたり、旅行に行ったり、日常を忘れる時間を持ちましょう。
それでも、長期間に渡るストレスや、心身に不調を感じたら、早めに専門医に相談することをおすすめします。