急な下痢や下痢が続く場合は、日常生活にも支障をきたしますので、困った経験がある方も多いのではないでしょうか。
通常の理想的な便の水分量は70~80%、便の状態が普段よりも軟らかい状態が80~90%で軟便、水のような状態だと水分量は90%以上となり、下痢便とされます。
このような状態になった場合には、原因を確かめることが大切です。
目次
まずは下痢の原因を把握する
下痢の原因によって対処法が異なるため、ご自身の状態をしっかりと把握しましょう。
食あたり、水当たり
生ものや半生の食品、調理後時間が経過したもの、保存状態の悪いものなどを食べたことで、細菌に感染することがあります。また、慣れない土地の生水や、水分の摂り過ぎなども、下痢の原因となることがあります。
食べ過ぎ、飲みすぎ
糖分や脂肪分の多い食品や、刺激物や香辛料の多い料理、カフェインの多い飲み物などによって、消化不良を起こす場合があります。
ストレス
精神的なストレス、負担に感じていることや重要なイベントの前などがあると腸が過敏になることがあります。
また、冷たいものの摂り過ぎや、エアコン、気温の変化など、体が冷えた場合などもあります。
食中毒の場合
食中毒の下痢にもいくつか種類があり、下記のような原因が考えられます。
・細菌
・ウイルス
・寄生虫
・有毒な植物、キノコ類、魚介類
・毒性のある薬品(殺虫剤など)
この中でも身近で起こりやすいのは、細菌やウイルスによる食中毒でしょう。しかも、人から人へ感染することもあるので、対処方法には注意が必要です。
食中毒の原因となる細菌にもさらに何種類もあり、実際に特定するのは困難です。
感染してから症状が現れるまでにかかる時間が細菌やウイルスによって異なり例えば黄色ブドウ球菌だと3~5時間、サルモネラ菌だと8~48時間、O157などの腸管出血性大腸菌だと2~8日、ノロウイルスだと24~48時間など、数時間から数日と開きがあります。
食中毒が疑われる場合には、下痢止めの使用は控えましょう。有害な菌や有害物質を体の外に排出するために下痢という症状で反応が現れているためで、下痢止めを使用すると菌の排出がされず腸内にとどまってしまい、状態が悪化してしまうことがあります。
毒素を出し切るまでは、水分をしっかりと摂りながら下痢が収まるまで安静にしましょう。
激しい腹痛、発熱、血便、水分がとれない、尿が出ないなどの症状がある場合や細菌やウイルス以外が原因の場合はすぐに病院を受診しましょう。特に子供やお年寄りは症状がより重篤になる可能性があるため、注意が必要です。
生活習慣で解決できる場合
食事の量を見直す
日常生活で起きる下痢で食べ過ぎや飲み過ぎが原因のケースは多くあります。辛い物や消化の悪いものを食べると下痢になりますし、お酒の飲みすぎも下痢をしやすいのです。
消化が良くて栄養価の高い食事や、腸への刺激が少ない食材を使った食事を取り入れるようにしましょう。また、食べることに関して、適量を守るようにしましょう。特定の食べ物や飲み物を摂取した時に下痢が起きる、といった心当たりがある場合は、その食品を避けるようにしましょう。
体を冷やさない
冷たい飲み物はのどごしもよく特に暑い季節には冷えたものを多く摂ってしまいがちです。
胃腸が冷えると血行が悪くなり、消化機能が低下してしまうため、下痢になってしまうのです。
血液の循環が悪い場合、冷え性の方なども同じ症状になりますので、体を冷やさないようにしましょう。
睡眠をしっかりととる
疲れていると消化機能が弱りやすいため、体に疲労を残さないことも大切です。食べ過ぎやアルコールの摂取し過ぎは、良質な睡眠の妨げともなります。
煙草を控える
タバコに含まれるニコチンにも、下痢を引き起こす原因があります。タバコを吸う方で下痢の症状にお悩みの方は、本数を減らすなど試してみてはいかがでしょうか。
ストレスが原因の場合も
ストレスを感じると、自律神経が乱れてしまい、腸の働きも低下してしまいます。
下痢や便秘になりやすく、またこれを繰り返してしまうこともあります。情緒不安定や精神的なストレスがあると、腸の蠕動(ぜんどう)運動に異常が起こるため、腹痛を伴った下痢を引き起こします。
ゆっくりと休息をとったり体を温め、睡眠をしっかりととるなどなるべくストレスをためない、ストレスを感じる環境を改善することができれば、下痢も緩和されてくるでしょう。
最後に
下痢の原因は様々で、慢性の下痢や急性の下痢では、対処方法も異なります。
慢性の場合は生活習慣の見直しやストレスの解消、急性の場合は早めに病院を受診しましょう。対処方法を誤ると悪化してしまうこともありますので、不安な場合や、なかなか良くならない場合は、専門医に相談することをおすすめします。
その際は、
・いつからその症状があるのか
・排便の頻度(1日に何回か)
・便の状態
・腹痛の有無
といった情報を忘れずにメモしておきましょう。
下痢をしている時は、消化の良い食事と十分な水分補給を忘れないようにしましょう。