便秘で悩んでいる人は意外と多いものです。便が出ない状態が便秘ですが、症状は人によって様々ですし、辛さにも色々あります。
1日出ないだけでもお腹が張ってしまって辛いという場合もありますし、数日出なくても、そんなに辛さは感じない、という人もいるでしょう。
日本内科学会では3日以上便が出ていない状態を便秘と定義しています。
できればなりたくない便秘ですが、なぜ便秘になるのか、便秘の解消方法など調べてみました。
目次
なぜ便秘になる?
生活習慣
規則正しい生活をしていると、自然と排便時間も決まってきます。
起床時間や朝食の時間がまちまちだったり、食事を食べたり食べなかったり、生活が不規則であれば体のリズムが乱れてしまいます。
そうすると腸の動きが悪くなるため便秘になってしまう原因となります。
一日の中で便意が起こりやすいタイミングは朝食後です。
就寝中は胃は休んでいますが、起床後に食べ物が胃に入ることで刺激となり、腸が活発に働き出します。
腸が動けば排泄への働きが始まり便意が促されるのです。
食生活
偏った食事は、栄養面だけではなく便秘にならないためにも重要です。
便が出るためには、当然ですが食べ物が必要です。食べ過ぎることを気にするあまり、極端に少ない食事では便が作られませんし適度な食物繊維や、水分は必要です。
水分が少ないと便が硬くなってしまい、それがさらに便秘に拍車をかけてしまいます。
食べる量が少ないのも問題ですが、食べ過ぎ飲みすぎでも便秘の原因になることがあります。
胃腸に負担をかけてしまうため、働きを乱してしまったり、暴飲暴食により下痢や胃もたれ、二日酔いなどになり、食欲がなくなって、結果食生活が乱れてしまうといったことになります。
精神面
実は胃腸はとてもデリケートで、例えば旅行中は出なくなってしまうということはよくあると思います。外出だけではなく転居や仕事などの環境の変化や、精神的なストレス、ダイエットやホルモンバランスの乱れなど、色々な要因があります。
こんなに情緒に影響されてしまう理由は、腸の働きが自律神経と密接に関係しているからで、また、女性ホルモンも腸の働きに影響を及ぼします。
トイレにすぐ行くことができない状態や、他の人に便意を知られたくないなど、排便することを我慢してしまうことが原因になるケースもあります。
高齢者が便秘になりやすい原因は?
若い女性が便秘になりやすいイメージですが、高齢者が便秘になるケースも多くあります。原因としては下記のようなことが挙げられます。
食事や水分の摂取量が少ない
高齢になると若い頃に比べて食べる量が減少します。
体も動かさなくなれば消費カロリーも減りますので、あまり食べる必要もなくなってしまいます。また、トイレの回数を気にしてしまい、水分を摂ることを控えてしまう傾向にあります。食事量も水分量も少なければ便の量も増えませんし固くなってしまいます。
便が少ないと大腸の活動量も減ってしまい、活動しないと機能が低下しまうという悪循環になるのです。
筋力や大腸の働きの低下
加齢によって排便時に必要な筋力が低下し、大便を送り出す「蠕動運動(ぜんどううんどう)」が弱くなってしまいます。
排便しにくくなりますし、身体機能の衰えによって便意自体を感じにくくなっているため、これが続くと便秘になってしまいます。
服用している薬の影響
高齢になると、何かしらの薬を服用している方が多くなります。
鎮痛薬、向精神病薬、鉄剤など、副作用で便秘になりやすい種類の薬もあります。
便秘にいい食事
便秘解消には、食事内容はとても重要で、いくつか食事のポイントがあります。
・1日3回規則正しく食事する
・水分をしっかり摂る
・食物繊維や発酵食品を取り入れる
・偏りなくバランスよく食べる
・良質な油を使う
・暴飲暴食はしない
排便が起こりやすくしたり、出しやすい便を作ったり、便秘の原因になるような、腸の働きを妨げないための基本的なポイントです。
上記のようなことに注意して、食事を摂っていくようにしましょう。
便秘を予防するための具体的な食事内容はどのようなものが良いのでしょうか。
食物繊維
食物繊維といえばごぼうやイモ類など根菜に豊富に含まれていますが、モロヘイヤやメカブ、納豆などネバネバ系の食材にも含まれています。
食物繊維にも不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、根菜などに含まれているのは不溶性食物繊維で腸で吸収されずそのまま便の材料となるため、便のかさを増やして排便をしやすくする働きがあります。
ネバネバ食材に含まれているのは水溶性食物繊維で、腸内をゆっくりと移動し、糖質の吸収をおだやかにしたり、コレステロールを吸収し、体外に排出する働きがあります。
ヨーグルト
腸内環境を整えるためには善玉菌が必要ですが、ヨーグルトには善玉菌となる乳酸菌やビフィズス菌が含まれているので、積極的に食べましょう。
何種類か試してみて、お腹の調子が良くなるヨーグルトを続けるようにしてみましょう。
発酵食品
発酵食品にも乳酸菌が含まれていますが、ヨーグルトに含まれているものとは種類が異なります。
こちらは生きたまま腸に届きやすい乳酸菌で、日和見菌の餌になる菌です。納豆、みそ、チーズなどがあります。
オリゴ糖
善玉菌のエサになるものに、オリゴ糖もあげられます。悪玉菌の増殖をおさえて、腸内環境を整えてくれる働きがあります。
運動治療も効果的
激しい運動よりも、適度に心地よさを感じる程度の方が便秘解消には適しています。
腸の動きに関わりのある副交感神経の働きが良くなるためです。日常生活で階段を使ったり、20~30分程度のウォーキングも効果的です。
また、寝た状態でできる運動もあまり体に負担をかけずにすることができます。
仰向けに寝て、腹式呼吸をする
お腹に手を当てて、口からしっかりと吐き出し鼻から息を吸う3~5回行う
仰向けに寝て、腹筋を使う
両膝を立て上半身を起こし、息を吐きながら5~10秒キープする息を吸いながら戻る10回ほど行う
仰向けに寝て、体幹をひねる
両膝を立てて、両腕は左右に広げる上半身は上を向いたまま膝だけを左に倒し10秒間キープする一度膝を上に戻し、今度は右に倒すこのような運動を毎日行ってみましょう。
最後に
腸の働きは些細なことでも鈍ってしまい、結果的に便秘になってしまいます。食事のメニューを見直すことも大切ですが、精神的なストレスを感じない生活を心がけることも重要です。また、排便には筋力も必要なため、筋力をつけることや、体を動かすことも意識していきましょう。