おじゃる丸は、1998年から続くテレビアニメの作品で主人公の名前でもあります。おじゃる丸と月光町に住む男の子カズマとの日常のお話が展開されていきます。
登場人物も個性豊かで、大きな軸としてはおじゃる丸がエンマ大王のシャクを持ってきてしまい、それをエンマ大王の子分である子鬼のアオベエ、アカネ、キスケが取り返そうと騒動を繰り広げるというストーリーがあります。
目次
おじゃる丸の正体
おじゃる丸のフルネームは坂ノ上おじゃる丸と言い、1000年前のヘイアンチョウから現代の月光町へやってきた妖精界の貴族の子、坂ノ上家の一人息子で「やんごとなきみやびなお子さま」です。
ヘイアンチョウでおじゃる丸がエンマ大王のシャクをいたずらで盗み、逃げているうちに月の穴に落ち現代の世界へタイムスリップ、そして現代の月光町へ辿り着き、カズマの家に居候することになりました。
年齢は5歳で、現代でプリンの美味しさにはまり、おやつに必ずプリンを食べています。性格はおっとりとした雰囲気ではありますが、わがままで自己中心的な面も。
基本的にはまったり、のんびりとしていてうぬぼれが強いけれど憎めないというキャラクターです。エンマ大王のシャクをめぐって小鬼トリオと騒動を起こしますが、おじゃる丸にはシャクを返す意思はまったく見られません。
電ボ三十郎
電ボ三十郎はおじゃる丸のお世話係的な存在で、坂ノ上家(さかのうえけ)に代々仕えている電書ボタルです。
電書ボタル一族の中で30番目に生まれたため、三十郎という名が付いたとされていて、おじゃる丸の父上や母上からの伝言を伝えるために月光町とヘイアンチョウを行き来することもあります。
ストーリーの中では電ボと呼ばれており、性格は惚れやすくすぐに恋に落ちてしまいますが、なかなか成就せず、失恋回数は300回以上となっています。
好物はおにぎりで、かわいらしい見た目とは違って酒癖が悪く、酔うと性格が変わって不満を愚痴りまくります。
なぜ月光町に
妖精界の貴族の子であるおじゃる丸が、エンマ界のエンマ大王のシャクを手に入れます。エンマ大王から逃げている時にエンマ界にある「月の穴」に落ちてしまい辿り着いたのか月光町でした。
おじゃる丸の住む世界は現代から1000年前の世界ですが、おじゃる丸が落ちた月の穴は現代世界につながる「満月ロード」と呼ばれていて、シャクを取り返すためにエンマ大王が遣わせた小鬼トリオと共に月光町に逃げ込んで、そのまま住み着いてしまったというわけです。
現代に落ちてきた時にたまたま受け止めたのがカズマで、一方のカズマは「弟がほしい!」と星空にお願いをしていた所におじゃる丸がやってきたため、一緒に暮らしたいという希望からおじゃる丸は田村家に済むことになりました。
満月の日に、満月ロードへの入り口が開くため、まったく帰ることができなくなってしまった、というわけではなく、たまに実家に帰ることもあります。
犬丸りん先生はまったりできていない!?
犬丸りん先生はおじゃる丸の原作者として知られ、本名は山崎典子(やまざきのりこ)さんと言います。残念ながら2006年に亡くなっていますが、おじゃる丸はファンからの要望もあり放送が続けられています。
おじゃる丸がよく使う言葉に「まったり」があり、主題歌の歌詞にも使われています。「まったり」は元々は、主に味覚に対して使われていた言葉で、やわらかさの中にコクがあったり奥行きがあるような様を表します。現在のように気分や態度を表現するようなゆったり、のんびりというニュアンスで使われるようになったきっかけはおじゃる丸であるとされています。いかにも平安貴族のゆったりとした時の感覚が表現され、「まったり」が全国に広まり定着しました。
すでに他界されている犬丸りん先生ですが、死因は自殺とされており、仕事のことで悩んでいたという内容の遺書が残されていました。
心無い誹謗中傷があったとも言われていますし、創造的な仕事ですから、時にはうまくいかず追い込まれてしまうこともあったかもしれません。おじゃる丸のように、まったりと暮らしていけたら悲しい結末はなかったかもしれないと考えるととても残念ですね。
最後に
おじゃる丸の正体とは、1000年前のヘイアンチョウからやってきた妖精界の貴族の子ということになりますが、宇宙人との関りもあります。
宇宙一のお星持ちの星野一家という3人家族が、地球の月光町にやってきます。家族構成は星野パパ、星野ママ、星野くんで、月光町に最初に来た時におじゃる丸と出会い、そこから地球を侵略しようと何度もやってくるようになります。
但し、月光町の住人は星野家の正体を知らず、地球を侵略しようとしていることにも気付いていません。おじゃる丸のことを地球で一番偉い王だと勘違いしているため、毎回おじゃる丸から地球をもらおうとして失敗しています。おじゃる丸にあしらわれる姿が想像できますね。
おじゃる丸はとても個性的なキャラクターが大勢おり、まったりとしながらも、シュールな回もあったり、ほのぼのしていたりと物語によって色々な角度から楽しめます。おじゃる丸ワールドをぜひ楽しんでくださいね。